そこにあるだけで価値がある
KAWAIの最高級のアップイトピアノUS 80
グランドピアノに匹敵する深みのある音色。パワフルな低音。
この秘密はこれです。
左の端に二本の太い弦があります。
これは打鍵されることのない弦です。つまりハンマーのついていない弦。この弦に対応する鍵盤はありません。
では何の為にここに二本の太い弦が張られているのでしょうか?
それは、他の弦に共鳴して、より深みのある音色を出させるための「共鳴弦」です。
その弦自体は打鍵されない。打弦されない。
そこにただあるだけ。
でも、他の弦に弦の音に共鳴する。それによって厚みのある、深みのある、艶のある、重低音が生み出される。
アップイトピアノではとても表現できないと思われていた。それを見事に生み出した。
誰もが同じように陽の目を浴びるわけではない。
誰もが同じように、自分で自分らしい音を出せるわけではないだろう。
でも、そこにただ存在してるだけで価値のある人が、いる。
何もできなくても、いい。
そこにいるだけで、他の人の音を共鳴してあげればいい。
そんなことに、気づける素晴らしいピアノでした。
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